こんにちは
泉南藤井病院 院長の宮野です
さて、現在新型コロナウイルスのオミクロン株の感染が急激に拡大していますが、
今回は、改めてPCR検査についてお話しいたします
- 新型コロナウイルスとは?
2019年11月頃から、新型コロナウイルスという小さな侵略者の来襲により、地球上は大混乱で戦争状態(外出禁止令、渡航禁止令等々)と言えるほどの状況となりました
ウイルスは大腸菌(大きさ1~2ミクロン;1ミクロンは1mmの1000分の1)の数十分の一の大きさ(0.1ミクロン以下)で、目にはもちろんのこと、普通の顕微鏡でさえ見ることができません
したがって、空中を浮遊していても、色々な場所に付着していても、我々には全く見えないわけです
この見えない侵略者を目で見えるようにする方法が、PCR検査です
- PCR検査法の前に、少し遺伝子のお話
遺伝子には、DNA遺伝子とRNA遺伝子の2種類があります
DNA遺伝子は2本鎖で、RNA遺伝子は通常1本鎖という違いがあり、この違いによりPCR法検査をする時に違いが生じます
DNAという言葉は、テレビドラマの中でも親子鑑定や犯人捜査に使われ、よく耳にする言葉ですね
さて、ウイルスのお話に戻りますが、ウイルスは、DNA遺伝子をもつDNAウイルスと、RNA遺伝子をもつRNAウイルスに分けられます
新型コロナウイルスはRNAウイルスで、ウイルス分類からC型肝炎ウイルスの仲間になります
- PCR法の歴史と実際の検査法
PCR法は、1985年にマリスらにより発表され、鎌状赤血球症の診断に用いられたのが最初でした
新型コロナウイルスはRNAウイルスですので、1本鎖のRNA遺伝子を2本鎖のDNA遺伝子に変換後、PCR法で増やします
PCR法の検査の装置は加熱と冷却ができ、1回の操作に必要な時間は2分程度です
この操作を1回行うと、DNA遺伝子は2倍に、20回繰り返すと1個の遺伝子が理
論的には約100万個に、40回ではなんと約1兆個に増えます
こうしてPCR法で増えた遺伝子は、遺伝子解析やウイルス同定検査に使われます
この業績でマリスは、論文発表から8年後の1993年に、ノーベル化学賞を受賞しました
- 最後に…感染予防について、すごいお話!
新型コロナウイルス感染に対し、我々ができるノーベル賞級の予防法は、やはり、身の回りにある豊富な水での手洗い・うがいです
この日常でできるすごい予防法を毎日励行していきましょう!!