こんにちは、藤井病院 腎・透析センターです!
今回は災害対策についての、取り組みを報告します!!
近年、南海トラフ地震が起こる可能性は非常に高いと予想されています。この南海トラフ地震では、太平洋沿岸の広い地域に10mを超える大津波が襲来するほか、広い範囲で強い揺れが2~3分程度続くと予想されており、最大震度は7と想定されています。このような揺れや津波が起こっても、透析中に慌てないように日頃からの地震への備えが重要です。
今回の取り組みを報告する前に、血液透析の仕組みについて、まず説明します。
血液透析とは、体から血液を取り出し、ダイアライザーといわれる筒を通します。この筒の外側に透析液を流し、過剰な水分や老廃物を取り除き、きれいになった血液を体に返しています。この操作を回収操作(返血)と言います。
血液透析には、オンライン透析とオフライン透析があります。オンライン透析は、厳重な水質検査をクリアした安全な透析液を使用し、オフラインでは市販の薬剤を使用します。
当院では、オンライン透析を行っており、治療の準備(回路の洗浄)、治療、回収(返血)の、全ての工程に安全な透析液を使用しています。しかし、災害によって治療中に停電が発生した場合、透析装置は自動的に非常電源に切り替わり、治療続行は不可能になります。また透析液による回収操作ができなくなるため、生理食塩水による回収(緊急回収)を行う事になります。
そこで、藤井病院 腎・透析センターでは、災害対策時の取り組みとして全スタッフが毎月1回、生理食塩水による回収操作の訓練を実施しています。この訓練は、災害時にもスタッフ全員が慌てず、確実な回収操作ができるようにする事と、患者様にも防災意識をもってもらう事を目的に、緊急回収を体験して頂いています!!



☆スタッフの感想☆
- 普段の返血操作と操作方法が違うため、まだスムーズに操作をすることができません。実際に災害が起きた時が不安な状態ですが、患者様のためにも自信をもって返血操作ができるように、毎月の訓練を行っていきたいと思います。
【入職2年目 看護師】
- 当院は患者様の人数も多く、災害時にスタッフや患者様が混乱しないように、返血操作を速やかにできるよう後輩たちに指導しています。災害はいつ起こるか分からないため、これからも、訓練の指導継続を行っていきたいと思います。 【入職21年目 臨床工学技士】
このように、災害時など緊急事態への備えとして、今後も手技の検討や日々の訓練を実施し、全職員が災害を常に意識し迅速に、行動できるよう今後も継続した訓練を取り組んでいきたいと思います!!